ご自愛の矢印を、自分に向けて
「ご自愛ください」
日本では、よく手紙やメールの結びで使われる言葉です。
「思いやり」や「気遣い」「優しさ」も、よく耳にする言葉ですね。
でも、そのどれもが、たいてい誰かに向けて使われている気がします。
「あの人に優しく」「人に親切に」「思いやりのある子になってほしい」
子どもの頃から、そんなふうに教わることは多くても、
「自分に優しくしていいよ」「自分を一番に考えてごらん」
とは、あまり言われてこなかったように思います。
もちろん、他人を思いやる気持ちはとても大切だけれど、自分に優しくできないまま、他人にだけ優しくし続けるって、実はとても苦しいこと。
「自分を大切にしたい」
大人でも子どもでもそう言うと、どこか“わがまま”とか“自己中心的”って受け取られるような空気、まだある気がします。だから、“自分を大切にする”ことにブレーキをかけてきた人が、日本では特に多いと感じます。
でも最近、自分に親切でいることこそが、他人へのやさしさの源になるということに気づき始めている人が、増えてきているような気がしています。無理やり「与えよう」「気を遣おう」としても、自分の心のコップがカラカラだと、どこかで無理が出るし、それが「義務の思いやり」になってしまったりもします。
自分自身のコップをいっぱいに満たす時、優しさや親切、思いやりや大切にする気持ちが自然に溢れでて周りの人たちに向かって流れていく。頑張って与えるより、自分を満たしてあふれたものを、分かち合うように生きる。受け取った人も満たされていく。
そんな優しさが巡る世界、いいなあと思っています。
「ご自愛」って、実はとても繊細で、あたたかくて、自分に返してもいい言葉なんだと思うのです。
だから私は「ご自愛の矢印を自分に向けて」って言い続けます!
もし、上半期を頑張って走り続けてきたとしたら休むことも、優しさ。
立ち止まることも、誰かを頼ることもご自愛。
自分にそっと「ご自愛ください」と言ってみる。「今日もご自愛ポイントあったな」。
優しい瞬間が日常にある、心のコップをゆっくり満たしながら自分のペースを思い出す、そんな2025年の後半になりますように☺
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)住吉ルーム
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くれたけ心理相談室(大阪市支部 住吉ルーム)心理カウンセラー
天王寺からチンチン電車 (最寄: 帝塚山三丁目駅)で約10分 万代池公園ほとりの静かなルームで活動しています。英語対応も受け付けています。
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