世界メンタルヘルスデー2025|心のケアを考えるワークショップに参加しました
昨日10月10日世界メンタルヘルスデー。
オンラインで開催された「市民公開ワークショップ『自分らしいストレス対処法をみつけよう』」 に参加しました。
国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターと精神保健研究所の合同企画で、当日は約150名が参加。心理職の方、ご自身の心のテーマに向き合っておられる方など、さまざまな立場の人たちが集いました。
3人の講師の方が登壇され、それぞれの角度から「心の健康」についてお話しされました。
【参考リンクはこちら↓】
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター (リンク)
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (リンク)
NPO法人シルバーリボンジャパン (リンク)
まず、精神保健研究所の張賢徳所長によるテーマは「メンタルヘルスって何?」。
ストレスに対処し、自分の能力を発揮し、よく学びよく働き、コミュニティに貢献していてもそれが“精神的に満足した状態”であるかどうか。この「精神的に満足しているか」という内的な感覚こそが、心の健康のバロメーターになるというお話が印象的でした。「あなたの深いところで、心から満足していますか?」という問いに考えさせられました。
続いて、NPO法人シルバーリボンジャパン(関茂樹代表)からは、社会全体でメンタルヘルスへの理解を促進するための取り組みについて。
シルバーリボン運動は、1980年代のアメリカ・カリフォルニアで、統合失調症をもつ親のもとで育つ子どもたちが偏見や孤立の中で苦しむ姿を見た家族たちが、「精神疾患のある人とその家族への理解を広げたい」と始めたのがきっかけです。
やがてその思いは国境を越え、“見えない病気を見える形で支え合う”という国際的なシンボルへと広がりました。日本では2002年に福島県の浜通り地方(楢葉町)から開始され、日本でも、メンタルヘルスへの理解と支援を広げる活動として続けられていることを知りました。
そして、認知行動療法センターの伊藤正哉部長の回では、「認知行動療法」という言葉は聞いたことがあるけれど、実際にやってみたことはない…という方にも分かりやすい内容でした。
心の仕組みを図にして整理する〈こころの仕組み図〉を使い、出来事・認知・感情・行動・身体反応を書き出して“自分の心の流れ”を見つめ直す、自分でできる認知行動療法的アプローチの体験です。
さらに、そこから「思考による対処(認知コーピング)」と「行動による対処(行動コーピング)」を考え、参加者同士でシェアしました。
さまざまな人のコーピング方法を聞くことで、「同じテーマに向き合っているのは自分だけじゃない」と感じる安心感が生まれ、「書き出して初めて思考が整理できた」「取り入れてみようと思えるヒントがあった」といった感想も多く寄せられていました。
それぞれの講演を通して感じたのは、メンタルヘルスとは“頑張ること”ではなく、
“自分を感じ取ること”から始まるということ。
もし、「認知行動療法のワークを通じて、自分の思考や感情を整理してみたい」と感じられた方は、住吉ルームで〈こころの仕組み図〉を使い、一緒に書き出し、声に出してシェアしながら、「どう感じている?」から始まるご自愛の旅を、ともに歩んでみましょう。
一人では「○○の箇所が思いつかない」など、立ち止まることがあるかもしれません。そんなときも、一緒にゆっくり考えてきましょう☺
困りごとだけでなくても、自分の強みを見つける、どんな時に楽しさや安心感を感じられるのか、あったかい側面を思い出す時間にもなりますよ☺
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)住吉ルーム
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くれたけ心理相談室(大阪市支部 住吉ルーム)心理カウンセラー
天王寺からチンチン電車 (最寄: 帝塚山三丁目駅)で約10分 万代池公園ほとりの静かなルームで活動しています。英語対応も受け付けています。
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