国際カップルが少しずつ歩み寄るために
くれたけ心理相談室 大阪住吉ルームでは英語でのカウンセリングを承っています。
2025年は日本に在住されている外国籍の方、そして国際恋愛・国際結婚をされているカップルのご相談を多くいただきました。
ご依頼くださった皆さまのご出身は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・ハンガリー・フィリピン・台湾・中国など、さまざまです。
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カップルの組み合わせとしては、
女性が日本国籍 × 男性が海外出身:60%
男性が日本国籍 × 女性が海外出身:40%
という割合になっています。
言語は日本語と英語の両方で対応しています。
ご相談のテーマはカップルごとに本当にさまざまですが、共通しているポイントもあります。文化の違いだけでなく、価値観や「ふたりの関係のつくり方」が見えてくる領域です。
たとえば——
・言語・文化の違いによるコミュニケーションのズレ
・育児方針(言語や生活ルールなど)
・夫婦としての親密さやつながり方
・家事分担の考え方
・感情表現のスタイルの違い
・日本での生活環境やサポート体制によるストレス など
もう少し具体的にみていくと、
① コミュニケーションのギャップ
・日本式「察する文化」 vs 直接的コミュニケーション
・「郷に入っては郷に従え」を強要されていると感じる
・本音や疑問を抑え、義務を優先しやすい
・言語の壁-完璧に伝えたいけれど言い切れず、途中で諦めてモヤモヤをためてしまう
・「一緒にいればそのうち分かってくれるだろう」「慣れれば大丈夫だよ」と思い込んでしまう
・「分かってもらいたければ勉強しろ」とつきはなしてしまう
② 家庭での負担と役割
・日本人として「支える」ことばかりで自分の負担が増える
・結婚=役割重視 vs 結婚=パートナーシップ重視
③ 育児・自立観の違い
・いつまで寝室に子どもを寝かせるか
・「自立は早く育てるほど良い」vs「安心が十分あってこそ自立できる」 など など
私自身も若い頃に国際結婚をしていた経験があるので、こうした価値観の違いや迷いをセッション中に聞くと、懐かしく思い出すことがあります。
今カウンセラーとして感じていることは、ざっくり「国が違うから」と無理に言い聞かせて蓋をするのではなく、カップルはお互いの価値観を理解しながら、日常の中で小さな調整を重ねていくことが大切だということです。
お互いに深いところに眠っている気持ちを少しずつ共有することで、「○○人だから」という文化的なベールの内側にある、その人らしい価値観――大切にしてきた家族、家族観、信じていること、愛情表現の仕方、ひそかに抱えてきた葛藤――と「はじめまして」することができます。
時には、お互いの葛藤に向き合う時期を受け止め合う時間も必要かもしれません。
それでも、一緒にいる愛する人と少しずつ理解を深めることが、関係の新しい一歩につながっていくのだなぁと感じます。
カウンセラーとして私が大切に思い、実践していることは:
・国や文化の違いを「正しい/間違い」でジャッジせず受け止めること
・個人の気持ちを、それぞれの言語で安心して吐露できる環境を提供すること
・なぜそう感じているのかを、それぞれの言語で確認しながら、文化差や価値観の違いを「翻訳」するように説明すること
・日常の小さな違いを話し合うことが、安心感につながることを支援すること
・ふたりが安心して話せる“共通言語”を一緒につくること
・必要なときは、個別で必要なテーマに向き合うセッションを提供すること
お互いの気持ちや価値観を少しずつ理解し合いながら、関係の新しい一歩を踏み出すお手伝いをしています☺
時々こんな風に、国際カップルならではのことや、日本に住んでいる外国籍の方々についてのお話も書いていけたらいいなと思います。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)住吉ルーム
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くれたけ心理相談室(大阪市支部 住吉ルーム)心理カウンセラー
天王寺からチンチン電車 (最寄: 帝塚山三丁目駅)で約10分 万代池公園ほとりの静かなルームで活動しています。英語対応も受け付けています。
村上法子のプロフィールはこちら
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