国際恋愛で見えてくる、その人と私の文化

バイリンガルカウンセラーと名乗っているので、せっかくなら海外の文化や国際カップルについても書いてみたらいいのではないかと思い立ちました☺

ブログがシーンとしていた間にも、私なりに海外の歴史や文化、それが人の考え方や関係性にどのようにつながっているのかを、いろいろと調べたり書いたりしておりました。そんなわけで、いつもとはちょっと違う真面目な感じの読み物になっております笑
今回は、そのなかから、アメリカにルーツを持つ人との関係について書いてみます。海外ドラマでよく見かける場面なども思い浮かべながら、少し一緒にみてみましょう☺

「アメリカ人」と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか?

ハリウッド映画や海外ドラマ。自由でオープンな雰囲気。いろいろなルーツを持つ人たちが暮らす、多様性に富んだ国。愛情表現がストレートで、自分の意見もはっきり伝える。海外ドラマを見ながら、「アメリカっぽい」と思う場面、ありますよね。人前でも自然にハグをしたり、“I love you.”とまっすぐに気持ちを伝えたりする。

二人の関係が曖昧なままだと、
“What are we?”「私たちって、どういう関係なの?」と、きちんと言葉にして確かめる。

相手が自分に相談せず何かを決めたときには、
“You should have asked me first.”「先に私に聞いてほしかった」と伝える。

けんかの途中で、
“I need some space.”「少し一人になる時間が必要」と言って、その場を離れる。

ドラマなら、「はいはい、いったん離れて、最後にはちゃんと話すのね」と少し余裕を持って見ていられます。でも、実際に自分のパートナーから“I need some space.”と言われたら、「え、別れたいってこと?」と不安になるかもしれません。実際にそんな人と恋をすると、ドラマを見ているだけでは分からなかった戸惑いが出てくることもあります。

「どうして、私の気持ちを察してくれないのだろう」
「よかれと思ってしたことなのに、なぜ“先に聞いてほしかった”と言われるのだろう」
「少し距離がほしいと言われたけれど、嫌われたということ?」

その一方で、相手も、
「なぜ気持ちを言葉にしてくれないのだろう」
「自分のことなのに、どうして相談せずに決められてしまうのだろう」
「少し落ち着く時間がほしいだけなのに、なぜ別れ話のようになってしまうのだろう」 と感じているかもしれません。

どちらも相手を大切に思っているのに、気づけば少しずつ会話がすれ違ってしまう。カップルカウンセリングでも、こうした「愛情がないからではなく、愛情の伝え方や受け取り方が違っていた」という場面に出会うことがあります。

同じ「アメリカ人」でも、受け取ってきた文化は違いま

アメリカは、ひとつの文化だけでできた国ではありません。もともと多様な先住民族の社会があった土地に、ヨーロッパ諸国による植民地化、奴隷制、領土拡大、そしてさまざまな地域からの移民の歴史が重なって、現在のアメリカがあります。
そのため、同じアメリカ人であっても、育った地域、民族的なルーツ、宗教、社会的・経済的な背景、移民として何世代目なのか、家庭のなかで大切にされてきたことによって、考え方や人との関わり方は大きく異なります。

私たちも「日本人」とひとくくりにされると、「いやいや、みんな同じじゃないし」と思いますよね。それはアメリカ人も同じです。「アメリカ人らしさ」は、その人を知るひとつの入り口にはなっても、その人のすべてを説明してくれるものではありません。

「家族」が意味するものも、人によって違います

家族とのつながりをとても大切にする人もいれば、家族との関係に複雑な思いを抱えている人もいます。「家族」という言葉ひとつをとっても、親やきょうだいとの関係を中心に考える人もいれば、祖父母、おじ、おば、いとこまで、みんなひっくるめて「家族」と考える人もいます。

血縁関係に限らず、長い間支え合ってきた友人やコミュニティを家族と同じように大切にしている人もいます。海外ドラマでもよく、長く一緒に働いてきた仲間やチームについて、“We’re family.”「私たちは家族だ」と、本気で真剣に言っている場面があります。
あの熱量で語られる「ファミリー」って、どんな感覚なんだろうと思うこともあります。血縁だけの関係ではないけれど、長い時間をともにし困ったときに支え合ってきた人たち。その人にとっては、そうしたつながりも本当に「家族」なのかもしれません。

一方で、家族や自分のルーツについて、誇らしそうに話すときもあれば、あまり話したがらないこともあるでしょう。
それは、心を開いていないからとは限りません。その人や家族が歩いてきた歴史のなかに、簡単には言葉にできない経験があるのかもしれません。

はっきり伝えることは、相手を遠ざけるためとは限りません

自分の意見や境界線を言葉にすることは、冷たさや気の強さの表れとは限りません。
「これは私にとって大切です」
「そこから先は、私自身に決めさせてほしい」
「今は少し落ち着く時間が必要です」
そう伝えることが、自分を守り、関係を壊さずに続けていくための方法になっている人もいます。
“I need some space.”も、必ずしも「あなたと別れたい」という意味ではありません。感情的なまま傷つけ合わないように、いったん距離をとって、自分を落ち着かせたいということもあります。

もちろん、「文化が違うから仕方がない」と、どんな言い方でも受け入れなければならないわけではありません。率直に伝えることと、相手を傷つけることは同じではありませんし、境界線も、一方的に相手を拒絶するためのものではありません。
Google翻訳で出てきた日本語や、言葉の表面だけで判断するのではなく、「あなたにとって、その言葉はどんな意味なの?」と、少し確かめてみてもよいのだと思います。

私たち日本人にも、それぞれの「家庭文化」があります

国際恋愛や国際結婚では、相手の国や文化を理解しようとすることに意識が向きやすいものです。でも、私たち日本人の側にも、自分では文化だと気づいていない「当たり前」があります。

「言わなくても察するもの」
「相手のために先回りしてあげることが、思いやり」
「自分の意見を強く出すより、周りとの調和を大切にする」
「褒められても、そのまま受け取らず謙遜する」
「家族のことは、あまり外で話さない」
「男性は仕事、女性は家庭を守る」
「自分の希望より、家族や周囲に迷惑をかけないことを優先する」

もちろん、すべての日本人がこう考えているわけではありません。時代や世代によっても違いますし、育った家庭や地域によっても異なります。それでも、「女性だからこれくらいできて当然」「男性は弱音を吐かず、家族を支えるもの」といった期待が、はっきりとは言葉にされないまま家庭や社会のなかに残っていることがあります。

謙遜も私たちにとっては礼儀や美徳であっても、相手から見ると「どうして自分のよいところを認めないのだろう」と不思議に映るかもしれません。
反対に、相手が自分の得意なことや実績を堂々と話すと、こちらは「ずいぶん自信があるな」と感じる。でも本人は、自慢しているのではなく、聞かれたことに正直に答えているだけかもしれません。

私たちが当たり前だと思っていることも、家庭や地域、人間関係のなかで、いつの間にか身につけてきたものです。相手のことを知ろうとすると同時に、「私は、何を当たり前だと思ってきたのだろう」と、自分のほうを振り返ってみる。

そうすると、相手の反応に腹を立てる前に「あ、私たち、そもそもの前提が違ったのかもしれない」と気づけることがあります。二人の価値観の違いに気づくきっかけにもなります。

「アメリカでは普通?」より、その人に聞いてみる

文化的な背景を知ることは、相手を理解する助けになります。でも、その知識を使って「この人はアメリカ人だから、きっとこうだ」と決めてしまうと、今度は目の前にいるその人が見えなくなってしまいます。

「アメリカでは、これが普通なの?」と自分のなかで考えたり、想像したりするだけでなく、
「あなたの家庭では、どうだった?」
「あなたが育った地域では、どんなことが大切にされていた?」
「愛情は、どんなふうに表現されていた?」
「困ったときは、誰かに頼ってもいいっていう雰囲気だった?」
「あなた自身は、これからどんな関係をつくりたい?」と、その人に聞いてみる。

質問攻めにするということではなく、「あなたは、そんな家族や文化のなかで育ってきたんだね。私は、こんなことを当たり前だと思ってきたよ」と、お互いの背景を少しずつ持ち寄るような会話です。

カウンセリングでも、ときどき「でも、どんな言葉で聞けばいいの?」と尋ねられることがあります。そんなときは、出会った頃のような純粋な「あなたのことを知りたい」という興味から、

“Tell me more.”「もう少し聞かせて」
“Tell me about it.”「そのことについて聞かせて」

と、シンプルに聞いてみるといいのよね、とお伝えしたりします。すると意外と、「あ、そうよね」となります(笑)。すぐに答えが出なくても構いません。二人とも、自分の当たり前を初めて言葉にすることになるかもしれないからです。

二人の間に、新しい文化をつくる

国際的なパートナーシップで大切なのは、どちらかが相手の文化にすべて合わせることでも、「アメリカと日本、どちらの考え方が正しいか」を決めることでもないと思います。それぞれが育ってきた文化や家族のなかから、

「これからも大切にしたいこと」
「相手にも理解してほしいこと」
「二人の関係には持ち込まなくてもよいこと」
「これから二人で新しくつくりたいこと」 を選び直していく。

そうして少しずつ生まれていくのが、二人だけのRelationship Culture 二人が重ねていくの文化なのだと思います。違いがあると、つい「どっちが普通なの?」と答えを探したくなります。けれど、二人の関係では、世間の普通よりも「私たちは、どうしたい?」のほうが大切なのかもしれません。

それぞれが持ってきたものを見せ合って、残したいものを選びながら、二人の間に新しい文化をつくっていく。そんなふうに考えると、文化の違いも少し面白く見えてきませんか?

今回は、アメリカにルーツを持つ人について、ひとつの切り口から書いてみました。もちろん、「これって、アメリカ人以外にも、日本人にも当てはまるよね」と感じるところもあると思います。もちろんです☺「知り合っていく」ということは、国籍にかかわらず、人と人とのコミュニケーションのベースですよね。

国際カップルのカウンセリングでは、「これはその人らしさなのか、文化の違いなのか、それとも言葉の問題なのか」ということが、見えにくくなることがあります。そんな視点から、それぞれの国の歴史や文化にも少し触れてみたら面白いかなと思い、あと何回か、アメリカの回を続けてみようかなと思っています。

歴史や文化を少し深く知ることが、今まさに国際恋愛をしている方や、これから国際恋愛をするかもしれない皆さんにとって、相手を知るための小さなヒントになるかもしれません。そして、その先には、ほかの国や地域についても。それぞれの歴史や文化が、人の考え方や人との関わり方にどのようにつながっているのか。私自身も学びながら、皆さんと一緒に少しずつひも解いていけたらと思っています。
お互いを通して世界が広がっていくことは素晴らしい体験ですよね

 

▶もうちょいディープなフルストーリーはこちらから

投稿者プロフィール

村上 法子
村上 法子くれたけ心理相談室(大阪支部)住吉ルーム
くれたけ心理相談室(大阪市支部 住吉ルーム)心理カウンセラー

天王寺からチンチン電車 (最寄: 帝塚山三丁目駅)で約10分 万代池公園ほとりの静かなルームで活動しています。英語対応も受け付けています。
 村上法子のプロフィールはこちら
 セッションご予約はこちらからお申し込みいただけます

コメントはお気軽にどうぞ